『何やってんの!? 早く来いよ!』電話の向こうで興奮した声が響く。
納品&打ち合わせで渋谷にいたオレは、黒ビールをたしなんでいた。
おかわりしたばかりのワンパイントを速攻で飲み干して、とりあえず幡ヶ谷へ急いだ。(ゴメンネ、編集長!)
シークレットライブ@ヘビーシック。地下の狭い空間にニュー・アルバム全曲をプレイ中のウルフの爆音があった。
みんなが興奮している。おおさまが飛んだ。ハードコアでブルージーでサイケデリック。
『アルバム最高なんだから、カッコいいジャケ作ろうぜ!アメリカ行ってガッツリ写真撮ろうぜ!』
ADのおおさまが興奮冷めやらぬ楽屋でまくしたてる。
メンバーもアルバムの満足感とこれから始まるツアーで興奮気味だ。
『三島くん来てくれるならサイコーじゃん!』
こうして今回のアメリカ・ツアーの話は始まったんだ。そして、オレたちは朝まで呑んだ。
『ちゃんと撮ってこいよ。さもなきゃ。。。』
もちろん!いくらでも撮ってくるよ。この全てが閉塞的な世の中に最高のロックンロールが放たれるんだ。
その瞬間を見逃す訳にはいかないもんな。
そこから二晩飲み明かし、エアチケットとエスタの手配を済まし、寝袋を手に入れ、ノートPCのデータを空にして待ち合わせの渋谷ハチ公へ。
真夏のような日差し。もうすぐ10月だっていうのに。宿酔いのアタマがクラクラする。
成田までの車中、おにぎりを喉につまらせながら、なぜかオレはライオネルリッチーの『HALLO』のPVの話をしていた。
バカバカしいことは大好きさ!
成田空港の温度計が34度を示してた。